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和解契約による抵当権設定 [不動産登記]

民法の典型契約である和解契約で合意した債権を担保するために,同和解契約において抵当権設定の約定をした場合の登記原因はどうなるのか考えていました。

債権の発生原因は和解契約ですので,年月日和解契約の年月日抵当権設定になるとして登記申請をしました。ところが,登記所からは,和解契約の中に債務承認条項がある場合は,年月日債務承認の年月日抵当権設定となる旨の指摘がありました。

和解契約の中では,紛争解決のために金銭の支払いが合意される場合があります。金銭の支払い債務を合意する場合,和解書の中に①和解金や解決金の支払い債務の確認条項,②①の債務の支払い方法を定める給付条項を作ることが一般的です。

登記所のいうように,和解契約の中に債務確認条項がある場合,登記原因として和解契約とい文言が使えないならば,抵当権設定の被担保債権で「和解契約」という文言を使う場面はまず登場しなくなります。

これが裁判上の和解であったらどうでしょう。和解調書の和解条項の中に金銭の支払義務を定めた場合,その前段にまず100%債務確認条項を定めるはずです。債務確認条項がある場合の登記原因が債務承認であるならば,裁判上の和解による登記もすべて年月日債務承認年月日抵当権設定になってしまいます。

さらに,金銭消費貸借契約で生じた債権債務関係を改めて確認してその弁済方法を協定し,その債務を担保するために抵当権設定契約をした場合は,年月日金銭消費貸借の年月日抵当権設定になる先例があったと記憶しています。このような場合に債務承認という登記原因を使えるのは,新たな債権契約と認められるような場合のみのはずです。

同様に,売買契約による残代金の支払義務を確認してその弁済方法を協定し,その債務を担保するために抵当権設定契約をした場合,年月日売買残代金の年月日抵当権設定になると思うのですが,登記所の論理では,いずれも年月日債務承認の年月日抵当権設定になってしまい,他の先例等にも矛盾しそうです。

登記所の論拠は,登記研究(雑誌)に書いてあるからというものなので,議論して解決することは難しく,いまだに民法上の典型契約たる和解契約によって発生した債務を担保するために抵当権を設定したのに,和解契約が登記原因にならない理由がよくわかりません。

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2012-12-28 18:00  nice!(0) 



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